前回のネットショップの件を少し掘り下げます。
「人が何かを購入するときは【モノ】自体ではなく、モノを手に入れた後の【幸福感(満足感)】を手に入れようとしている」という話です。
時代背景も関係ありますが、以前は生活上必要に迫られて【モノ】にお金を払っている人達が大勢いました。
だけど、現在はすでに【モノ】が溢れかえっている状況なので、「提供者(作り手や経営者など)の【人生観】とか【幸福感】に憧れたり共感してお金を出す人が多くなっています。
モノ以外の形のないサービスにも同じことが言えます。
これを前提に【言葉(文章)】の選び方を知っていると、仕事やプライベートに少し役に立つと思ったので、以下に簡単にまとめてみました。
「モノを売る」のも「モノを買う」のも理由があります。
両方とも突き詰めていくと同じような理由に辿り着きます。
・悩みを解決する
・より高い欲求を満たす
ものすごくざっくり言うと、人ってみんな自分の「悩み」と「欲求」を解消するために行動(モノを購入)しています。相手の根底にある「悩み」と「欲求」を理解すると物事が上手くいきやすいです。
例えば誰かに「モノを売る」とき、相手はそれを手に入れたら「何が満たされるのか」を「言葉(文章)」で伝えて、相手に想像させます。(ネットとリアルで状況は変わりますが、可能であれば試しに体験してもらうのが一番早いのですが)
繰り返します。重要なのは【モノ】自体の説明ではなく、【心が満たされた状態】を想像してもらえるような「言葉(文章)」を選ぶこと。
一例として洋服の販売で例えてみます
・体型のコンプレックスをカバーできて、みんなから「○○さんはキレイに(カッコ良く)なった」と言われる
・トレンドのカラーやデザインの服を身にまとっていて同性からも憧れられる
・街中で鏡に映った自分が雑誌のモデルみたいに見える(視力によって)
・初対面の人に一目置かれる
・お気に入りの洋服を着て気分の良い休日を過ごしている
こんな感じの言葉で、洋服自体ではなく悩みや欲求を想定して、その洋服を着ることによって得られるであろう【現状よりも良い体験】を想像してもらうと購入(行動)してもらいやすいです。
わざとらしいセールストークにならないように、言っている本人(提供者)が本当に楽しそうで幸せそうに体現していたら、耳を傾けたくなりますよね。
逆に悩みを煽るパターンもあります
・いつも同じ格好で洋服代を持ってないと思われそう
・トレンドを無視していて鈍感な人だと思われそう
・もっと似合う服があるのにもったいない
個人的にはネガティブな発言は好きではありませんが、不安を抱いている人は多いですし、基本的に人間は「良い出来事を求める」よりも「悪い出来事を避ける」方に強く反応します。なので、不安を煽るセールストークはよくありますよね。
これだけだと不快な気分になるだけなので、ネガティブ要素を煽ってから前述のポジティブな言葉を使って抑揚を意識すると効果的です。落差がある分、不安が解消されたときの満足度が高く感じられます。
もっと段階的に必要なスキルがありますが、今日はこの辺にします。
まとめ
「このニットは○○メーカーが作っている○○産の羊毛で、品質がとても高く~~~」と言われても、ほとんどの人は耳に入ってきません。
仕事(お金が絡む売買)以外の他のシチュエーションでも応用できるので、誰かに何かをしてもらいたいときは「悩みと欲求」のことを思い出してみてください。
・自分の欲求を満たすための言動は相手にされにくい
・相手の欲求を満たすための言動は相手を動かしやすい
ホームページ、ブログやSNSでの発言が、自分の望んでいる結果に繋がりやすくなるといいですね。